一度理解すれば誰でもすぐ活用でき、ビジネスと人生を成功に導く「ストーリー思考」。前回は「ストーリーがもたらした驚きの成功例」としてAKBやディズニーなど分かりやすい具体例を挙げていきましたが、今回からはいよいよ、あなたの頭に「ストーリー思考」をインストールするための基本OSをご紹介していきたいと思います。

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「ストーリー思考」の真髄は、目の前で起こっているできごとをばらばらの「点」ではなく、複数の点がつながった「線」または「流れ」としてとらえることにあります。あなたのまわりにいる経験豊富なベテランやデキルヤツは、この思考が身についているから強いのです。


■「点」的思考の怖さ

それでは、まず目の前で起きていることを「点」としてとらえることの問題点を明らかにしておきましょう。

目の前のできごとを前後の脈絡のない独立したできごと、つまり「点」としてとらえていると当然のことながら視野がせまくなりますよね。

たとえば、あなたが目の前の仕事を「点」でとらえ、それにがむしゃらかつ闇雲に取り組んだ結果をイメージしてください。

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ともかくやり終えた後、あなたは達成感や満足感を得られるでしょう。

しかし、あなたのその達成感と満足感は、果たして仕事の「質」を保証してくれるものでしょうか。いいえ、決してそうではないはずです。それどころか、ともかく形にする、やり終えるという仕事のやり方をしてしまった結果、大切なポイントを見落としたり、シミュレーション不足だったりと、ツッコミどころの多い仕事になる可能性は大でしょう。

というのも、「点」的思考だと、仕事の背景や目的、求められている結果や質が曖昧なまま見切り発車し、突っ走る形になりがちです。

そうした“木を見て森を見ず”の「点」的思考をしていると、周囲からいい評価を勝ち取るのは難しいですよね。

厳しいことを言えば、あなたが入社したての新入社員でない限り、期待された一定レベル以上の水準を満たした仕事をするのはあたりまえのはず。

しかし、「点」的思考の結果、それができなかったとしたら、あなたに対する周囲の評価は厳しいものになるでしょう。

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■付加価値提供型人材になるために

あなたが目指すのは、言われたことをロボットのようにそのままこなすだけの人材なのでしょうか?もちろん、そうではありませんよね。

あなたは、言われたことは当たり前のこととしてこなし、さらにどんな付加価値を提案できるかを考え、それを形にしていく人材です。少なくとも、そうなりたいはず。そのためには自分の業務に関連する仕事の全体像や意味合いをしっかりととらえた上で、何が課題で、何が足りなくて、自分なら何が足せるのかを常に考えていく必要があります。

その上で、具体的な問題を発見・指摘し、それを解決していくための業務改善案や課題解決案を積極的に提案することなどを通して、付加価値を周囲に提供していくべきなのです。

とはいえ、これはもうどこのビジネス書でも言われていることですよね。「そんなこと分かってるよ」と思われたかもしれません。

それでは、どうすれば近視眼的な「点」的思考を脱し、ものごとを「線」や「流れ」としてとらえることができるようになるのでしょうか。


■「ストーリー思考」のフレームワーク

そんなときに活用してほしいのが「ストーリー思考」のフレームワークなのです。

フレームワークは言ってみれば思考の整理箱。いつもゼロから考えるよりも、頭の中の引き出しにあらかじめ分類用の仕切りを用意しておくのです。出会った情報をその仕切りの中に振り分けていくだけで、頭の中の整理が自然とできてしまう。フレームワークとはそういった便利なものです。

「ストーリー思考」を実践する上で、必要なフレームワークは複雑なものではありません。これからご紹介する4つのステージを頭に入れていただければ十分なのでご安心下さい。

「ストーリー思考」の基本フレームワークとなる4つのステージは次のようなものです。

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民話から現代のハリウッド映画まで、面白いストーリーや感動させられるストーリーは、ほぼ例外なく、この4つのステージを含んだパターンを踏襲しています。

主人公の置かれた環境、主人公のキャラクター設定、キャラクターが目指すゴールといった表面的な要素は変化しますが、ストーリーの構造としては、実はどれもほとんど共通しているというわけです。

では、私たちがこれからストーリー思考を身に付けていくうえで必要不可欠な、これら4つのステージとはどういったものなのでしょうか。次回は、この4ステージについて詳しく解説していきたいと思います。

阿久澤 騰
あくざわのぼる/日本大学芸術学部助手時代に、大学を飛び出し民間企業の広報担当者の道を歩む。現在、ストーリーを軸とした広報・PR・ブランディングを実践中。ブログ「阿久澤 騰 ストーリー思考のススメ
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