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自民党の新総裁に安倍元首相が返り咲きました。もし自民党が次の選挙に勝てば、時を経て再び総理に選出されるという史上稀な政治家ということになります。

戦後最年少の総理だった田中角栄ですら成し得なかった安倍さんの首相再登板が現実味を帯びてきた今、是非とも今、安倍さんに掲げてほしいスローガンがあります。

それは、若者、主婦、老人…誰もが "再チャレンジ" できる日本。「Try again JAPAN」です。

今回の逆転復活劇は、安倍さんが5年前の首相辞任の時に「やり残したこと」に対する期待値が(少なくとも自民党議員の中では)高かったということの表れだと思います。しかし、今の日本に「仕事人」としてこんな幸せな人、いるでしょうか。少なくとも今、大半の日本サラリーマンには、その人がどれだけ高邁で崇高な理想や能力の持ち主だったとしても、こうした再チャレンジの機会を与えられることは絶望的に少ないのが現状です。

新卒至上主義の厚い壁の中で、一度「新卒カード」を手放すと大企業への就職がほとんど不可能に近くなる大学生。仮に就職できても、氷河期に無理矢理入っているせいで能力や社風に合わない職場に懇願して行くしかなく、結局肌に合わず転職するしかなくなる入社3年以内の若手。結婚、妊娠、退職、子供を園に預けて十分正社員として働けるはずなのに、そのチャンスがなかなか与えられない元キャリアウーマンの主婦。そして、まだまだ働けるにも関わらず、定年を勝手に設定されて会社を追い出され、かといって今さら住んでいる街にコミュニティもない団塊世代のご老人…。

そうした無念を晴らすチャンスを与えられる人が、今この日本にどれだけいるというのでしょうか。環境的要因でやりたいこともロクにやりきれずに仕事を追われる人…いや、就職氷河期ニートを筆頭に、むしろ舞台にすら立たせてもらえず、そのままくすぶるしか無かった人でこの国は溢れかえっているではありませんか。

再チャレンジできること、させてもらえることが、どれだけ夢ある人の人生にとって尊く、生きる糧になる仕組みなのか。それが今この国に最も必要な視座なのだということを、今の安倍さんが語り、スローガンとして掲げる意味は計り知れないものがあります。これは5年前の安倍 "サラブレット" 晋三さんじゃ駄目なのです。もう一度自らの仕事をやり切るチャンスを与えられた今だからこそ、その責任と使命の中で、安倍さんみたいな人がそういう「美しい国」づくりを訴えてくれないかと思わずにはいられません。

変 周長
へん・しゅうちょう/1981年愛知県生まれ。本誌編集長、クリエイティブマネジャー。
Twitter ID: @_CAZANA
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