京都は学生が多く住んでいることや、いわゆる知識人・文化人も多いこともあり、古本屋の数と密集度は充実の一言。東京と比べるとやはり見劣りするのでは?と思われがちですが、そこはなかなかどうして、あなどれないのがこの街の古本事情なのです。

東京で学生時代を過ごしていたとき、さすが東京だなと思ったことは、古本屋の充実ぶりでした。神田や早稲田周辺はもちろん、私が住んでいた荻窪駅周辺でも、古本屋は3件ありました。その中の一件は、本の回転率がとても早く、午前と午後で並べられている本が変わるほどでした。
京都読書空間 (act books)

一方、京都も古本屋の数と密集度、そして質も決して低くはないです。しかし、東京と比べてしまうと、やはり見劣りするというのが正直な感想でした。

やはり人と物が集まる東京にはかなわない…?ところが、やはり「このまち、あなどり難し」と思うことが古本事情でもあります。

京都では、古本屋が加入している京都古書研究会が年3回、古本市を主催しています。2011年の5月の開催(第29回 春の古書大即売会)では、30以上の古本屋が、出展していました。

地元の古本屋が古本市を開催することは決して珍しいことではないでしょうが、私がこの古本市でびっくりしたことは、人々の熱気でした。去年参加したとき、私は開店の一時間後に会場へ到着しました。そのときには、本を選び終わった人でレジに行列が出来ていました。その経験を活かし、今年は開店の10分前に現地に到着したのですが、会場は、開店を待ちかまえる人で一杯でした。どうやら30分前にはすでに人々がたくさん並んでいるようで、10分前では行列の後ろの方だったのです。

私もそうですが、この古本市を楽しみにしている人が本当に多いのです。年齢層は高く、男性が中心ですが、学生らしき人も大勢いました。あたり前ですが、古本が好きな人が多くなければ、即売会も成立しません。京都というまちは、古本という文化が根付いている――そのように思います。また、店側も代々受け継がれているような古い店が多いのが特徴で、その場所に根付いているという印象があります。

ちなみにこの古本市、次回は下鴨神社で、2011年8月11日(木)~16日(火)まで開催されます。お盆の時期でかつ蒸し暑い京都ですが、五山送り火(大文字)も開催される時期です。会場でこの熱気を共有してみませんか?

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【写真上】会場の様子
【写真下】開場前の行列

こばよし
こばよし/京都府宇治市で育つ。都内の大学院卒業後、現在京都府内で勤める。京都出身であるが、京都市内の育ちではなく、厳密な意味で「京都人」ではない。そのため京都への思いは複雑らしい。