カツ丼・梅/かつや
何と言っても、カツ丼が500円を切る時代なのです。自分が子どもの頃、カツ丼やとんかつ定食は、定食屋の中でも寿司やうな重に次ぐ高級メニューだったような気がします。少なくとも90年代前半までは、一杯1,000円程度が相場だったのではないでしょうか。

そんな中、98年に業界で初めてカツ丼を主体としたチェーン展開を行い、最高級の生パン粉を使用した本格派のカツ丼をワンコイン以下で提供することに成功したのがかつやでした。牛丼と違い、カツ丼のチェーン展開の歴史は意外と新しいのです。
それまでカツ丼は、そば屋・うどん屋・定食屋のメニューの一部として提供されることがほとんどであり、これほどメジャーな丼物の代表選手でありながら、実はカツ丼それ自体をメインストリームとして取り扱う店は全国的にも皆無でした。ある意味かつやは、その市場の空白に目を付けたニッチな業態と言えるでしょう。それから現在まで「とんかつの吉野家を目指す」とするかつやの志についても、カツ丼好きの自分としては非常に心強いものを感じています。と言うのも、かつや自慢の「衣のサクサク感」と「中のジューシーな豚肉」を一度体験してしまったが最後、他のそば屋や定食屋のいわゆる「カツ丼セット」で出てくる(ミニ)カツ丼とは、とんかつ及びたれのクオリティがまるで違うことを口に入れた瞬間に理解できるからです。そのくらい豚と衣に特別なこだわりを持った仕様なのです。

もちろん一杯490円という破格値を考慮しての講評ではあるものの、スタンダードがすでにカツ丼という、高いアドバンテージを持ったかつや。たまにはがっつり行きたいサムライたちのお腹と心を存分に満たしてくれること請け合いです。

それでは今日も、手と手を合わせて、いただきます。