a1070_000155_m
世の中には、様々な“壁”がある。

「嘆きの壁」「ベルリンの壁」昨今イスラエルとパレスチナの間に出来つつある「隔離壁」など物質的な壁に留まらず、「男女の壁」「世代の壁」「バカの壁」「壁抜け男」「妖怪ぬりかべ(×ぬらりひょん)」「完璧のペキは壁じゃない」等、常に壁は人間の前に立ちはだかろうとする厄介なものである。

それに対し、近年では2ちゃんねる内で「壁殴り代行」という架空業者が現れたり、2008年にはマイクロソフトがWindowsの新しいコンセプトとして「LIFE WITHOUT WALLS 壁のない世界へ」を打ち出すなど、WEB・PC・モバイルの世界的な普及により、人類の壁との戦いは新たな局面を迎えたかに見える。

しかし、そもそもこの厄介な“壁”によって構成される全ての方向への広がり自体、人類が自ら生み出した「文化」や「空間」という概念に他ならない。

人類は壁をつくることで文化を生み出し、壁を壊すことで歴史を拓いて来たのだ。

壁から文化が生まれ、壁から空間が形作られるとすれば、壁に着目することは、それ自体が文化と空間の関係性を紐解く重要なプロセスとなり得る。

その経験は、次世代サラリーマンたる私たちが壁に直面した時、解決に導く何よりの教養となるに違いない。

この連載企画『壁|公房』では、次世代サラリーマンの前に立ちはだかろうとする、現代社会のあらゆる壁に着目していく。

次世代サラリーマンにとって最も重要なことは、まず目の前の壁を認識することである。壁は、ハッキリ見えていれば何らかの対策が取れるものだ。回避か、突破か。それはその場その場で臨機応変に対処していけば良い。少なくともぶつかる前に、何かしら手は打てるはずだ。

また、対象の建造物が大きければ大きいほど、壁の色はその都市の色と同様の意味を持つ。本特集がそうした壁の総覧となることで、その都市自体の色=性格を映し出し、将来的にはそうした色を持つ都市空間で働く私たちサラリーマンの心理的影響をも検証していく。働く街を選ぶという観点で言えば、いずれは就・転職の指標にもなるだろう。

壁に対してピントが合わせられなくなった時、人は行き詰まり、そして路頭に迷うのだ。