カラオケの鉄人 新宿大ガード店
BBcyberDAM、HyperJOY V2、UGA、Lavca、孫悟空という5大音源メーカーの機種を横断できる驚異の「鉄人システム」を引っ提げ、2000年に鳴り物入りで業界に忽然と姿を表した通称「カラ鉄」。大手カラオケチェーンの中では最後発に近い創業だが、50万曲配信という目玉を武器に店舗数を拡大し、ついに今年新宿にフラッグシップ店をオープンさせた。

しかし近年はメーカー直営店の新機種攻勢と経営スピードに後塵を拝し、システムの老朽化などに苦しんでいるようにも見える。そんな中、満を持してオープンした旗艦店「新宿大ガード店」に本誌が潜入!その威信を賭けた店舗クオリティを検証する。

音響:★★☆☆☆
カラオケの鉄人 スピーカー残念ながら他店と比較しても決して良いとは言えない。写真は新宿大ガード店のスピーカーである。ちょっと分かりにくいかも知れないが、スピーカーに「カラオケの鉄人」の文字が入っている。店舗デザインの一環としてわざわざロゴを張り替えていると前向きに捉えることもできるが、コスト面から考えにくい。とすれば、おそらくイニシャルコスト対策として、海外(アジア系?)のオーディオメーカーに、自社ブランドのスピーカーをOEMで大量発注して作らせている可能性が非常に高いと思われる。確かに、年間出店計画に勢いのある鉄人化計画のような企業ならば当然取るべきコスト策であることは間違いない。だが、競合他社がBOSEやパイオニアという一流メーカー製品を使用しているのに対して、単純に見積額で選んでしまっているのではないか?と、勝手な心配をしてしまった。もちろん余計なお世話だろうが、音源メーカーでないからこそ、オーディオにはもう少し気を使って欲しいものだ。

曲数:★★★★☆
鉄人システムパセラのΣ-SYSTEMと並び、2大統合システムと呼ばれる「鉄人システム」。カラオケの鉄人最大の特長であり強みであるこの統合システムは、メーカーと一線を画す店舗専業だからこそ実現した、カラオケ業界が長年夢見た究極のサービスと言えるだろう。ただ、鉄人システムは5機種統合なのに対し、パセラのΣ-SYSTEMはこれをさらに上回る11機種+LD(レーザーディスク)統合を誇っており、つまりどう考えても負けちゃっているのだが、カラオケの鉄人の公式サイト上では「人気音源DAM・UGA・JOYの最新機種をひとつのルームで歌えるのはカラ鉄だけ!!」と謳ってしまっており、何というか、調べれば調べるほど残念な感じなので★4とさせて頂いた。

内装:★★★☆☆
カラオケの鉄人 部屋総じて綺麗。さすが旗艦店&最新店である。清潔感があるし、趣味も偏っていないので比較的気持ちよく歌える空間。机の高さも高過ぎず低過ぎず、飲食の場合も申し分ない。ただ、やはり見た目からしてコストが掛かっている訳ではないので、2~3年も経つと厳しくなってくるだろう。業界全体でスクラップ&ビルドが暗黙のルールである商業施設の宿命かもしれない。

食事:★☆☆☆☆
メニュー構成はいたって普通。よくあるカラオケ店のそれと大差ないので、店員に「一番人気の食事は何ですか?」と聞いてみると、「フライドポテトです!」と元気良く返事が来たので、そりゃそうだな、聞き方が悪かったと思い「すみません、一番の看板メニューは何ですか?」と聞くと、少し戸惑った様子で「う~ん…やはり鉄人バーガーでしょうか」と鈍い反応ではあるが確かに看板メニューっぽい名前が挙がったので即注文。これでとにかく店舗のフードメニューの質を見ようということである。

鉄人バーガーで、来たのがこの鉄人バーガー(720円)。デカい!ガオーなどと言っているうちに鉄人の顎が外れちゃいそうなくらいのボリュームである。それを見越してか、丁寧にナイフとフォークまで用意してある。これは期待大だ!行け、鉄人!ガブ。…んん?パンが冷てえ!!なんだよもう~。冷蔵庫から出すのは百歩譲るから~、せめてひと手間加えてくれよう~。喉冷えたら歌い手は困るだろうがよう~。看板メニューでこの気遣いの無さはショック。ちなみにポテトも見た目通り。これが山盛りで来るのがNo,1人気メニューだとしたら…色々残念なので★1。

店員:★★★☆☆
上記対応からして可もなく不可も無し。カラオケ店のバイトさんとしては問題ないと思われる。メニューの良し悪しを店員のせいにしてはちょっと可哀想なので、それ以外で考えれば及第点だ。飲み物も笑顔で持ってくるし、しっかり気持ちがいいサービスを教育されているようだ。う~ん、ここまで書いてきて自分は何様だと思えてきたけど、そういう企画だから仕方がないんだもんね、全国のサラリーマン幹事のために一肌脱ぐもんねという感じで開き直って続けたい。

料金:★★★☆☆
同じく統合システムを採用しているパセラと比べれば相当お値打ちだ。予算がない、しかし曲数が絶対条件だという場合。カラ鉄の優位性はそうした需要にこそあると言えそうだ。

付帯:★★★☆☆
少なくとも新宿大ガード店は、マラカスを全部屋に標準装備している。こういう所に気を遣うのがカラ鉄のポリシーなのだろう。これが全店のサービスかは不明だが、旗艦店のサービスで好評なものは各店に波及していくはずなので、これがスタンダードだと考えてほぼ間違いない。また、コスプレ衣装も相当充実しているようだ。パーティールームの広さやデザイン性にも定評があるが、総じて若向きの印象だ。

総評「カラ鉄は学生のもの」
というわけで、初回からかなりの辛口採点となってしまったが、これはあくまで「次世代サラリーマン目線」であることを最後に確認しておきたい。カラ鉄をあえてジャンル分けするならば「学生バカ騒ぎ系」。コンセプトがリーマンカラオケにそぐわないだけで、「安心価格」「曲数最大級」「パーティー小物充実」というスペックは、学生が低予算で朝まで騒ぐのに十分なクオリティだと断言したい。

本特集でカラ鉄を最初に取り上げたのは、昨今のカラオケにおいて、店選びがいかに重要かということを端的に表す代表選手として紹介したかったからである。逆に言えばコンセプトが明確で、チェーン店として秀逸であるがゆえに、絶対に選んではいけないシチュエーションもあるということなのだ。だからこそ、あえて言おう。カラ鉄は接待には不向きだ。

また、潜入前は配信曲数の多さから一人カラオケに適していると思われたが、いかんせん採点機能がショボすぎたため、一人で楽しむにはやや難な部分もあった。この問題は統合システムを採用している店舗全般に言えることであり、おそらく各社頭を悩ませていることだと思うので、詳細は次回以降に譲りたい。

総合評価2