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年の瀬も近づいたこの時期になると、忘年会や新年会の幹事を任されることも多いカザーナ世代。カラオケは二次会の候補として挙げられることの多い定番イベントなだけに、店選びに頭を悩ませている人も多いのではないだろうか。特に自分の好き嫌いに関わらず、上司や取引先がカラオケ好きだったりした場合には「いかに気持ち良く歌ってもらうか」が幹事の腕の見せ所となる。

「カラオケ店なんて歌えればどこも同じ」だと思っているなら、それは大間違いだ。大手チェーン各社は他店との差別化を図り、特色をハッキリと打ち出し始めている。シチュエーションや環境要因により、今やカラオケ店は明確に使い分ける必要があるのだ。特に忘年会の幹事ともなれば、各店の特性を充分理解した上で検討しなければ、幹事の能力自体を疑われかねない。非常にシビアな問題なのである。

それでももし、安易に一次会の居酒屋の周辺で、予約もせず当日小走りで決めてしまうとどうなるか。最悪の場合「狭い・汚い・音悪い・食事まずい・ドリンク薄い・店員対応悪い・しかも会計高い」という悪夢の“七重苦カラオケ”を参加者全員が強いられることになる。せっかく一次会でいい店を見つけてきても、これでは台なしだ。

こうした迂闊な幹事や一部のカラオケフリークが引き起こしてきた「行き当たりばったりな店選び」が、巷のカラオケ嫌いを増幅させてきたのではないだろうか。サラリーマンのそういう「遊びへの手抜き」が、結果的にカラオケ人口の減少をもたらしたのではないか。本誌はそう考えている。

今年の忘年会・新年会は、まず二次会のカラオケありきで、一次会の居酒屋を選んでみることをお勧めしたい。


カラオケボックス検証「必須7項目」解説
それでは、カラオケ店を選ぶ上で最も重要なポイントは何だろうか。前述したとおり、カラオケ店は同じように見えても、その特徴は相当に異なっている。本誌はカラオケボックスの価値を裏付ける重要項目を「音響」「曲数」「内装」「食事」「店員」「料金」「付帯」の7つに分け、それぞれを5段階で評価。その平均点にシチュエーション別の利用価値を加味した上で、ちょいキビの「総合判定」を掲載することにした。

★音響
カラオケ店を評価するにあたり、音の良し悪しは最も重要な問題として考えるべきである。カラオケは人数が多いほど、自分が歌う時間より人の歌を聴く時間の方が長くなる。全員が歌が上手いわけでもない。音が良ければ通常より上手く聴こえたり、また長時間聴いていても疲れないなど、歌い手と聴き手の双方にとってメリットが多い。カラオケと言えども、音楽ビジネスなのだから当然のことかも知れない。実際にはオーディオを含めた店の空間構成や、導入している音源機種に大きく左右されるが、いずれにせよ店の思想が最も反映される部分であることは間違いない。ここでは音響、音質、マイクを通した声質など、実際に聴こえる音の良し悪しをまとめて「音響」とした。

★曲数
カラオケフリークの間では、配信曲数を重視する声は未だ根強い。近年ではアニソンやボカロなど、ジャンル別の楽曲充実度で店を選ぶ集団も出てきているようだ。したがって曲数については、その店がどのメーカーのどの機種をどの位の割合で取り扱っているかによる。カラオケの鉄人やパセラなど、一部チェーン店によってはメーカーを横断する「統合システム」を採用しているところもある。その場合はシステム自体を1つの機種と捉え、判定基準とした。

★内装
言ってしまえば「新しければ綺麗」ということになるが、その程度の浅い認識で店舗作りを進めてきたチェーン各社が今、その大きなツケを抱え込んでいるように見える。初期投資を抑えた空間は傷みも早い。そして救いがないことに、一度傷んでしまうと長く使える代物ではない。カラオケ店の多くはそういう「安っぽい」作りをしている。デザインは随分凝った所も多いが、実際利用してみると机はガタガタ、クロスはビリビリ、ソファはペラペラの破れたレザー、クッションはほとんどスポンジ…とても長時間くつろごうとは思えない仕様であることも珍しくない。カラオケ業界はネットカフェ同様、時間課金ビジネスの側面もある。どうせ同じ時間を過ごすなら、より快適な空間を選びたいものだ。ここでは空間のインテリア・家具造作類だけではなく、広さなど面積的な条件も含めて「内装」とした。

★食事
食事の充実度も重要な指標だ。カラオケ店の多くは食事を冷凍食品に頼っている。そのためどこも似たような味しかしない。特に焼きそばやフライドポテトを頼めば一目瞭然である。こうした安っぽさもカラオケの人気低迷に拍車をかけたと言わざるを得ないが、そのような業界の傾向に危機感を覚え、対策を打つ店も出始めている。歌主体で入る、いわゆる「ヒトカラ」需要とは別物だろうが、二次会利用を考えているのなら、やはり食のクオリティの違いは見過ごせない。ここでは飲食物、ドリンクバーの充実度や味の良し悪しも含めて総合的に「食事」とした。

★店員
敬語が使えない、注文を間違える、頼んだものがすぐに出てこない、会計に手間取る、明細に不明点がある…店舗オペレーションの問題は、そのまま企業の文化や体質を表している。このチェック項目の有無がイベント幹事の生命線になるケースもある。忘年会など時間が限られているプログラムの中で、万が一リモコンの電池が切れていたりシステムに不備があったりした場合、店舗の管理体制が危ういところだと修復に時間がかかり、最悪の場合、部屋の移動を余儀なくされることもあるからだ。出鼻をくじかれた後で周囲のテンションを上げるのは並大抵ではない。上司や取引先を連れて行くならば、是非とも気にしておきたいポイントだ。

★料金
シチュエーションに関わらず、やはり懐事情は看過できない問題だろう。一次会と二次会でトータル予算を組む場合などは「いかに安く抑えるか」が重要であることは間違いない。しかし気を付けなければならないのは「安かろう悪かろう」では意味がないということである。楽しい時間が過ごせるかどうかが第一であることを忘れてはならない。重要な指標には違いないが、決定打になるのは他の6項目が同条件の場合に限ることを肝に銘じておきたい。

★付帯
導入機種によって、採点機能やゲーム機能など付帯サービスに大きく差異が出て来ている。内線電話を使って大声で注文しなくても、選曲リモコンで食事が注文できる機能を持ったものや、集団を二つに分けて得点を競う「紅白」的な対戦機能、さらには歌を録音したりCD化したりできる機能を持ったものまで存在する。部屋を機種指定で選ぶことが一般的になっている中、人気機種をどれだけ早く導入出来ているかどうかも「店舗力」としてチェックしておきたい。また、それ以外でもコスプレ衣装が充実している、マラカス全部屋設置(!?)など、独自サービスに力を入れている店舗も多数見られたので、そういった付帯サービスの充実度に関わるものを合わせて「付帯」とした。

以上7項目を元に、次回からはいよいよ大手カラオケチェーンの旗艦店を廻りながら、店ごとの傾向と対策を検証していく。