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『ゆであげ生スパゲッティ ポポラマーマ』の生パスタを初めて食べた時の衝撃は今も忘れられません。もう五年以上前になりますが、あの頃のポポラマーマ浦安店は神懸かっていました。ポポラマーマの公式HPには「最適なデュラム小麦の中心部分のセモリナ粉を使った生麺を使用」とありますが、その食感たるや、それまで食べてきた乾麺のアルデンテとは明らかに次元が違いました。そこいらのイタメシ屋じゃそうそう出てこないモチモチかつムチムチのハイクオリティ。そのため、パスタの質のみで勝負するなら、競合と思われている某チェーン店なんぞ全く比較になりません。

ずいぶん前に引越してしまって以来、浦安店には行けていないのですが、ポポラマーマの他の店であの味に勝るところに今だお目にかかれていないことを考えると、ポポラマーマはフランチャイズに相当の権限を与えているか、各々のシェフの力量に比重が置かれた食材構成(冷凍が少ない等)なのか、はたまた本社直営店とフランチャイズ店との間に断絶があって、その実力差が出てきてしまっているのか…いずれにせよ各店で味が違う何かしらの理由があるのではないかと思っています。

さて、そんな生パスタ最強チェーンのポポラマーマですが、侍ランチメニューとしてあえて押したいのがこの『よくばりジェノベーゼ』です。いや、よくばりってアンタ!いわゆる“全部乗せ”じゃないのアンタ!シンプルを標榜するコンセプトに反するじゃないのアンタ!と下町のオバチャンにアンタ呼ばわりされて罵倒されそうですが、もちろんここが今年一番の悩みどころです。実はポポラマーマには「ジェノベーゼ」「カルボナーラ」「ペペロンチーノ」といった所謂シンプルメニューがありません。「ほうれん草ベーコンペペロンチーノ」「フレッシュトマトとベーコンのジェノベーゼ」など、トッピングが前提のメニュー構成なのです。ボロネーゼは単体であるのですが、スタンダードと呼ぶにはやはり弱いと言わざるを得ません。つまりスタンダードメニューという発想がないということが、ポポラマーマ最大の特徴というわけです。

しかもここから先がさらに悩ましいわけです。トッピングが自由に選べるわけではないので、「これにはソーセージが入っているけどナスが入ってない」「具はこれでいいけど今日はこっちのソースの気分なのだが…」とまぁ次の打合せまで時間もないのに悩む悩む。優柔不断なところを彼女に見せたくないなら、素人はデートコースにポポラマーマを選ぶべきではないというのが本誌の見解です。とはいえ、これほどお手軽に本格生パスタを食べさせてくれる有り難い店ですから、二人以上で行きたくなる気持ちは痛いほどよく分かります。かくいう私も彼女や友達をよく連れていったクチです。しかし、そこに至るまでに、たった一人でポポラマーマに通い詰め、この悩ましいメニューと相対する激闘の歴史がありました。

そこで得た一つの結論、それが「“よくばりシリーズ“こそポポラマーマのスタンダード」ということなのです!

現に、よくばりメニューだけはペペロンチーノ、アラビアータなどパスタの種類に関わらずラインナップされており、金額も890円に統一されています。悩みに悩ませて、結局一番高い“全部乗せ”を選ばせるポポラマーマ急成長のカラクリを垣間見てしまった気がしてしまうのですが、何もそんなことで悔やむことなどありません。これが一番旨いポポラのスタンダードなのですから!そもそも男ならパスタをケチるんじゃないと言いたいわけです。

そしてその中でも、ジェノベーゼの旨さは群を抜いています。チェーン展開しているイタリアンの中では間違いなく最高峰、その位置付けは洋麺屋五衛門のカルボナーラに相当します(ちなみに五衛門のジェノベはそれほどイケてません)。

余談ですが、余裕があるならドリンクバイキングもおススメします。一見何の変哲もないドリンクバーなのですが、ここの「メロンソーダ&カルピス」がなぜか生パスタに合いまくります。また、個人的には食後にカプチーノをキャラメルナッツのフレーバーポーションで嗜むのが大好きだったのですが、近年このフレーバーポーションを店舗で扱わなくなってしまったことが唯一絶対的に残念です。現状のボトルキープ(?)では風味が落ちて代替になっていないのです。ポーションタイプでの復活をぜひ期待したいところです。

「popolare」(イタリア語で『一般大衆』、『流行の』の意)と家庭の象徴「mama」を組み合わせた言葉だという「ポポラマーマ(Popolamama)」。男一匹でも平気で入れる親しみやすさはこうした店舗思想に基づいているのかもしれません。

それでは今日も、手と手を合わせて、いただきます!