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私は、都内の福祉事務所で相談員の仕事をしています。年齢は聖子ちゃんくらいです。相談員は年齢も様々で、例えば職場で一番若い子は26歳。ということで、相談員みんなが聖子ちゃん世代というわけではありません。あしからず。

とはいえ病院や老人ホームに勤務しているわけではないので、一般的にはちょっと分かりにくい職業かもしれません。実際にはもうちょっと敷居の低いイメージです。いや、敷居が低くなくては意味がない仕事とも言えます。

今は、主に高齢者の病気・介護・生活困難・よろず困りごとの問い合わせを受ける部署に席を置いているのですが、仕事をする上でとにかく忘れてはいけないことは、まずは相手に心を開いて貰い、話を聞く事が第一だということ。話を聞くだけで終わることもよくありますが、まずは気軽に問い合わせできる環境づくりが大切だと思っています。

町の集会所に行くように、リラックスした気持ちでお困りごとを相談頂ければ、何かお役に立てることもあるかも知れません。

さて、担当には日々、様々な相談が寄せられます。

この仕事をする様になって、世間には色々な考え方があるのだな、なかなか外からは見えないものなのだなと思うことが多くなりました。

普通とか標準とか…誰が決めるのかしら?

私は普通?
あなたは、標準ですか?

今日の相談者は、40代後半くらいの中年男性。父親のためにベッドを借りたいということでしたので、介護関連の事業所をご案内することにしました。

すると開口一番。「守秘義務をご存知ですか?」

事務所内に緊張が走りました。

相談者の父親は地元で有名な弁護士らしく、世間体をとても気にされていたのです。

ところが実際に自宅へ向かってみると、父親本人の前では冗談を交えての家族紹介。最初の堅いイメージとは打って変わって明るい雰囲気なのが、とても印象に残りました。

同居家族に死の宣告を受けた人がいる。悲観しないように、させないようにと努力されている――。

家族は、家族である限り、きっとお互いが出来る無理をしているんですね。

お父さんは今年で80歳とのこと。若い人から見たらつい「充分生きたよね」って思ってしまいそうな年齢ですが、果たして本当にそうなのでしょうか?肝心の当人はどういう気持ちなのでしょうか?

つい数ヶ月前まで現役で仕事をされていたお父さん。急激に、どんどん動かなくなる体を抱えての不安な毎日…正直、今の私には想像できません。

病気が判って娘夫婦、孫3人と同居する様になり、いよいよ起き上がることも困難になった今、最近はよく孫たちを呼んで昔話をされるそうです。

「今はすることがないのでテレビばかり見ているが、昔のことが以前よりはっきりと思い出せるようになった」と仰っていました。

今回、私にできることは介護ベッドの事業所を紹介することだけでした。せめて日々を穏やかに過ごして頂ける様、近いうちに、昔話のお相手をもう1回くらい出来たら…と思っています。

yuko
ゆこ/福祉事務所の相談員。ネットゲーム歴○○年?アニヲタの長女と、ボカロ狂の次女、それに自己厨の旦那の4人家族+猫1匹。仕事と家庭はそれなりに両立できているんじゃないかと。最近の絆ブームはなんかイヤ。