名古屋おもてなし武将隊
名古屋城を拠点に、踊りなどで観光客を出迎え人気沸騰中の「名古屋おもてなし武将隊」が、2009年の結成以来最大のピンチを迎えています。メンバー10人のうち織田信長・前田慶次・豊臣秀吉ら主要メンバー5人が、2012年3月末で卒業してしまったというのです。これを受けて、新たにメンバー募集を開始。すでに応募締切は過ぎているのですが、GWを目前にして、未だ新メンバーの発表はありません。一体どうしたというのでしょうか。ついに本日新メンバーが発表されました!新メンバーの初陣は5月20日とのことです。

もともと武将隊のメンバーは、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・前田利家・加藤清正・前田慶次の6人と陣笠隊4人の計10人です。このうち信長・秀吉・慶次がすでに卒業しているので、今年はGWの予定表を見ても、徳川家康・前田利家・加藤清正の3人のローテーションで乗り切る形になっています。名古屋城のイベントで、このメンバーではちょっとキツそうですね…。

そもそも戦国武将を扮している彼らの前歴は、俳優やモデル・フリーター。国の補助金を使った緊急雇用対策の一環として、名古屋市の臨時職員としてハローワークで普通に武将が募集されているような状況でした。今回の新メンバー募集にも、その片鱗が垣間見られます。

今回募集するのは、「織田信長」役、「豊臣秀吉」役、「前田慶次」役がそれぞれ1人ずつ、「陣笠隊」役が2人です。雇用形態は契約社員です。失業者または採用日までに離職見込みの人が対象で、年齢は不問です。賃金形態は月給制で、固定給に加えて歩合賃金が支給されます。「観光や歴史、文化、まちづくりに興味がある」「日本古来の伝統芸が得意」「過去に劇団に所属していた」「武将に扮して、何か成し遂げたいことがある」などのスキルや意気込みがある応募者を優遇するとのことです。詳細は公式ページでどうぞ。

ところが初陣以来、歴史好きな女性「歴女」を中心にファンが急増。その後は、市の催しやテレビ番組にも引っ張りだことなり、8月には名古屋の顔として上海万博にも「遠征」。武将を冠した弁当や切手などグッズも多く売り出され、名古屋城の集客力もぐっと高まりました。政府の緊急雇用対策の中では異例の成功例と言えるのではないでしょうか。

しかし、この盛り上がりの陰には大きな不安が隠されていました。

そもそもメンバーは1年ごとに契約が更新される不安定な立場。しかも、国の補助金は年間約1億円で、最長でも3年間。補助金が打ち切られた後に、市ですべての経費をもつことは元々難しい状況だったのです。

そんな中で起こったメンバーの卒業。しかも信長・秀吉・慶次という中心人物の交代。先月末の補助金打ち切りがそのきっかけとなったのは想像に難くありません。

また、この4月から、以前から運営を委託されていた名古屋の老舗広告代理店である三晃社が活動を引き継ぐ事になり、実質的な「武将隊の民営化」が行われました。この際の雇用条件が合わなかったということも考えられます。

さらに過去には、新潟のおもてなし武将隊である「上杉おもてなし武将隊」の賃金未払い問題もあります。働く武将たちにとって特にその辺りに敏感にならざるを得ない事情があるとすれば、地域振興の妨げにもなりかねません。

果たしてご当地武将隊は、国の補助金に頼らない自主独立を果たすことが出来るのでしょうか。今、名古屋といえば「SKE48」か「おもてなし武将隊」と言われますが、生まれ変わる新たな武将隊にも是非注目しておきたいところです!

おぎ
おぎ/生粋の愛知県民。名古屋をこよなく愛し、名古屋の珍スポットを探し続ける赤メガネのサラリーマン。趣味は温泉巡り、料理