朝を開けだして、夜をとじるまで
編集長、ぼ、僕はもう我慢できない。否が応でもこのアーティストだけはGWに紹介させていただきたい。この度CDショップ大賞でニューブラッド賞を受賞した京都のスーパー女子大生、YeYeだ。彼女は「閃光ライオット」でconcentrate on poppingというスリーピースで出場した経験があり、「そらに」は映画『ソラニン』のコンピ盤にも収録されている。春の出会いと別れの季節に非常にピッタリな絶妙な名曲だ。

彼女が影響を受けてきたアーティストはadvantage Lucyだという。僕にとってはリアルタイムなバンドなのだが、とにかくものすごくステキな巡り合わせである。彼女がこれほどまでに洗練された楽曲を産み出せるのも納得できる。

彼女の存在を知ったのは、以前紹介したaoki laksaさんのライヴの対バン相手だったことから。調べてみたらものすごいアーティストだった。アルバム『朝を開けだして、夜をとじるまで』のリードトラック『morning』は全て一人で全てのパートを奏でている。PVをYoutubeで観た時、それまでモヤモヤしてた頭の中が一気にクリアに晴れたようだった。彼女の音楽に対する姿勢が、リスナーにシンプルな答えを導いてくれている。23歳の現役女子大生がここまで手を尽くしてmost comfortableな音楽を創り出せるとは…!

Weezerの『Buddy Holly』のカバーもかなり心を奪われてヤバいのだが、オリジナル曲はさらに圧巻の一言!常日頃の生活の営みを織り編んでいって、絹のような気持ちよい柔らかさ、春の木漏れ日のような穏やかな温かさ、伸びやかなヴォーカルとアットホームかつDIYなサウンドがリアルに響いてくる。いまや音楽の神様が彼女の最大のスポンサーなのかもしれない。

『なみだ』は、様々な状況に応じて「涙」というものが存在し、単に悲しい寂しいの余韻を醸し出すでは終わらせない、むしろ明日への活力につなげようとするポジティヴで逞しい曲だ。そこの御嬢さん、遠慮してないで如何なくその才能を発揮していきなさい、誰も放っておかないよ、と彼女を目の前にした音楽の神様が首ったけになるのが目に見えるようだ。もちろん彼女の屈託ない笑顔にもたまらなく惹かれる。しまった、またつい誌面を使って告白してしまった(汗)。


路考茶
ろこうちゃ/片田舎の音楽評論家。専攻は「環境と音楽」。中学1年で音楽全般に目覚める(受け専門)。田舎ではどうしてもラップ・レゲエや演歌、歌謡曲しか通じないため、本誌を通して密かにROCKMUSICの雪解けを企んでいる。Twitter ID@my8mountain8hop