補修授業
オリンピックでサッカー日本代表が奮闘している。ぜひ応援に行きたいものである。「先生は夏休みが沢山あるんだからロンドンでも何でも行けばいいじゃん」などと言われそうだが、決して学生のような夏休みを謳歌できるほど休めるわけではない。ただ、有給休暇などが取りやすい時期ではある。

また、有給休暇を取得しなくても「校外研修」という実質的な有給休暇の制度もある。これについては数年前に大問題となった。「校外研修」を調査したところ、ある先生は図書館で研修をしたと報告していたが、その日は休館日であった…等、「校外研修」制度の抜け穴、つまりカラ申請の問題が指摘されたのだ。

このようなこともあってか、現在は「校外研修」をすること自体が難しくなり、休むならしっかりと有給休暇を取ろうという風潮にあると思われる。ただ、それは税金でまかなわれている公立学校の話であって、私立はまだ夏休みの勤務をしっかりとしようという意識は低いような気がする。私学にも税金は投入されているのだが…。

私の勤務校では、夏休みにしっかりと部活動や補習、校外行事などで出勤している先生もいるが、ある先生は約40日の休み期間中に2~3日しか学校で見ない。学校にいない日はどうしているかというと、書類の上では「校外研修」となっている。本当に校外で研修を受けているのだろうか?

さて、このように夏休みを謳歌している先生がいる一方で、夏休みがほとんど休みにならない先生も多くいる。そういった先生方を2類型紹介しておきたい。




① 部活動で休めない先生

部活動に力を入れている学校だと、夏に休めるのはお盆の数日くらいであるようだ。実際、他校の野球部の先生と話をすると、夏はお盆に3日ほど、夏休み以外に休めるのも年末年始の数日というように、ほぼ年中無休で勤務をしている先生もいる。

休みを返上して練習ができるため部活動の強化が図られるが、一方では深刻な問題もあるようだ。家庭を持っている先生だと、休みが取れないため離婚の危機を迎えているところもあるようである。部活動の強化も大事だが、ワークライフバランスも考えねばというところだ。

ちなみに私の勤務校は、部活動による離婚とは無縁のヘタレ校である。


② 補習で休めない先生

東大に○人、京大に□人、など進学に力を入れる学校だと、夏休み返上で補習を行っているところもある。これも他校の話となってしまうが、ある学校だと夏休みで休めるのはお盆くらいだという。7月の終業式が終わった直後から受験対策の夏期講座が始まり、お盆で一休みし、お盆が終わるとまた夏期講座があり、それが終わると新学期という過密スケジュールだ。

さて、補習は補習でも最も嫌な補習が「未履修問題」発覚による補習である。「未履修問題」とは、学習指導要領で決められている教科や科目を学校履修させず、生徒が単位不足で卒業が危ぶまれる問題のことである。特に受験科目に力を入れる進学校でこの問題が発覚することが多い。かつて実際にあった例としては、必修科目の世界史を生徒に履修させていなかったという学校があった。こうした「未履修問題」が発覚すると夏休みなどを用いて補習が行われることになるが、このような理由の補習では生徒もモチベーションが上がらないことだろう。

ちなみに私の勤務校は、「未履修問題」とは無縁のヘタレ校である。

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今回はトンデモ教員の夏休み問題に触れたが、もちろん大多数の教員はこの限りではない。休みの間も給料をもらっている以上、自己研鑚に努めたいと思っている教員も少なからず存在する。私も前述した有給休暇的な校外研修ではなく、実のある社会研修を多く受講して、教師としての引き出しをより増やしていきたいと思う。

はくぼく太郎
はくぼくたろう/現役女子校教員。趣味は徘徊。でも夜回りはあんまりしない。ちなみにヤンキーでもない。この連載は、言いたいことも言えないこんな世の中に向けた、同世代への贈る言葉。