the bear(s)/THE PINBALLS
猛々しいロックバンドが、最近少ないような気がしている。一昔前なら THEE MICHELLE GUN ELEPHANT や BLANKEY JET CITY などがとんでもないオーラを放っていた、いわゆるガレージ系のことだ。もちろん今でも A flood of circle や THE BAWDIES 、THE BACK HORN など活躍しているバンドだっているわけだが、そんな彼らを凌駕する "衝動剥き出しのロックンロール" を体現するバンドがついに出てきた。先日サマーソニックの FLOWER STAGE への出演が決定した、密かに注目度上昇中のロックバンド THE PINBALLS だ。

きっかけはやはり毎度のごとく iTunes なのだが、『ダンスパーティーの夜』で "連れ去ってしまいそうさ" と唄っているのを耳にしているうちに、間違って僕が連れ去られてしまった。いつの間にか彼らの音楽の虜となっていたのである。

これはもう、ガレージなどとジャンルでカテゴリしたくない。色々なバンドを聴き倒していると、ロックはもう歌詞なんかなくてもいいやと思ってしまう瞬間(これはこれで陶酔の瞬間ではある)が必ず来るものだが、少なくとも THE PINBALLS には無縁の世界であろう。彼らの歌詞は曲ごとに物語が詰まっている。それは誰もが昔から語り継いできたことや、一度は夜空に向けて夢馳せたことなのかもしれない。いつの間にか曲の外側(観客席)から内側(演奏側)へ、さらにサイドストーリーの世界へと誘ってくれるのだ。

その結果、ライヴはまるでカクテルパーティー効果が発揮されたかのごとく耳に確実に入り込んできて、歌詞の意図する着地点がステージ上で示されることになる。

例えば『アンテナ』という曲は、"荒々しくも「唄心」溢れる本格ロックンロール!!" と公式HPで紹介されている。名古屋が誇るライヴサーキット SAKAE SP-RING 2012 で初めて聴いたのだが、まさにそれを証明するかのような圧巻のパフォーマンスだった。特に『ニューイングランドの王』は the band apart の『K. and his bike』に匹敵するアンセムである。

ロックンロールが生まれて半世紀が経つ。これまでロックの歴史を創り上げてきた偉大なバンド達に対して真っ直ぐ向けられた尊敬の念は、今や地球上の大地に染み渡り、この世界を突き動かす原動力になりつつある。彼らのようなバンドが生まれた背景も、こうした力が具現化し始めたものに違いない。

なお、彼らは精力的にライヴ活動を続けており、今月末も10/22(月)大塚LIVE HOUSE Hearts+、10/28(日)近畿医療福祉大学 播彩祭、10/31(水)下北沢CLUB QUEなど、過密スケジュールをこなしていく予定だ。貴方の近くでライヴがあれば、是非その熱を間近で感じて頂きたい。



路考茶
ろこうちゃ/片田舎の音楽評論家。専攻は「環境と音楽」。中学1年で音楽全般に目覚める(受け専門)。田舎ではどうしてもラップ・レゲエや演歌、歌謡曲しか通じないため、本誌を通して密かにROCKMUSICの雪解けを企んでいる。Twitter ID@my8mountain8hop