「ISH-ONE(イシュワン)。ヒップホップで今注目しています。ラッパーなんですけど、僕が聴いてきた中でも特に新しいタイプのラップだなぁと。渋谷で活動してるからよく知ってるんですけど、センスいいんですよ~本当に。日本の音楽元気ないみたいに言われてますけど、イシュワンとか見てると全然そんなことない!って思いますよ」

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エンターテイメントをデザインする

―――グループ化に伴う新事業の中で、僕が特に驚いたのがエンターテイメント事業でした。こんなことまでやっちゃうのかという。

古澤:はい。モロにクリエイティブでしょう(笑)

―――そうですよね(笑) でも、もともと映像やダンスなどの表現技法に関心があった古澤さんが、今回わざわざエンターテイメントって銘打っているのが不思議な気もして。ここで言われているエンターテイメントって、舞台芸術とかライブとかそっち方面のことなんでしょうか。

古澤:そうです。もちろんテレビもありますけど、僕、それまで劇場型のエンターテイメントってすごく馬鹿にしてたんですよ。宝塚、四季とか…日本の舞台俳優系?なんか独特な気持ち悪さみたいなのを感じてしまって。嫌だったんですよね。

―――なんとなく分かります(笑) 世界観がハッキリしてますからね。

古澤:でも、僕はCyril(セロ)さんのステージを初めて見たときに「これはスゲエ!」と。感動しました。まったく知らない世界でした。で、僕が協力出来たらもっと面白いことになるかもしれないと…(笑)



―――直感ですね。そういうところが凄いなあ(笑)

古澤:それしかない人間なんで(笑) で、セロさんのマネージャーさんがたまたま知り合いだったんですね。その方が22~23歳頃のガキだった僕のデザインを高く評価して下さっていたので、やらせて下さいと。その流れでセロさんのビジュアルデザインとかロゴデザイン等を担当させて頂くことに。元々マジックが大好きでセロさんも大ファンだったので。

―――そういう仕事の取り方、シビれますね!この人と一緒に仕事したいと思ったら、まず会いに行く。会うための努力をするっていう。

古澤:要は一つの講演をやるにしても、ポスター作ったりチケット作ったり、グッズ作ったり…絶対グラフィックって関わってくるじゃないですか。じゃあ一緒にやっちゃいましょうよと。

―――他に古澤さんが今注目されているアーティストやエンターテイナーはいらっしゃいますか?

古澤:今はEBI-KEN…蛯名健一さんですね。僕はストリートダンスをやっていたから余計分かるんですけど、本当に凄い。聞くと、エビケンもたまたまダンス独学らしいんですよね。その辺にもシンパシーを感じてしまった(笑)



―――自分が感動したことを人にも伝えたいというのがクリエイティブディレクターの本懐なのかもしれませんね。WEBメディアの編集も基本的な動機は似たようなものですし。

古澤:自分が何か役に立てることがあるなら…っていう気持ちですよね。とにかく近々大阪でライブもあるみたいですし、エビケンは一度生で見といたほうがいいですよ。あと、事業は関係ないですけどISH-ONE(イシュワン)。ヒップホップで今注目しています。ラッパーなんですけど、僕が聴いてきた中でも特に新しいタイプのラップだなぁと。ああいうスタイルは日本輸入直後に多かったんですよ。日本語英語入り交じってとにかく「音」として成立させるスタイル。それが一周廻って彼のスタイルを聴くと数段進化してるなぁ、凄いなぁと。

―――あの…その方は日本人ですか?

古澤:もちろん日本人ですよ(笑) ニューヨークで育って日本に戻ってきて。渋谷で活動してるからよく知ってるんですけど、センスいいんですよ~本当に。最近、日本の音楽元気ないみたいに言われてますけど、イシュワンとか見てると全然そんなことない!って思いますよ。



―――なんか今の古澤さんの笑顔を見てると、エンターテイメント事業が急拡大 しそうな気が…(笑) 今までのプロモーション的なツールを作っていたところから、プロデュース的な側面にも興味が出て来られたんでしょうか?

古澤:そうですね。正直、僕よりデザインできる方なんて腐るほどいるんですよね。たぶんこの業界の常識って、まずきちんと良い家柄に生まれて、ある程度親にも財力があって、美大に入って、そこから大手広告代理店にコネ半分で入って、そこからコネ半分で賞取って、独立。クリエイター所属の団体に入って「はい、クリエイター」っていう感じが基本路線じゃないでしょうか。もちろん全員が全員そうでは無いと思いますけど…(笑)

―――うわー、そういう人が何人も思い浮かんでしまう(笑)

古澤:それに比べて、僕は気付けば新規開拓というか、全部自己流で来ちゃいましたね。

―――そういうレールの上にいる人たちに対する反骨心みたいなのも?

古澤:もちろんありますよね。でも、なんかそういう人たちってどこか看板主義っていうか、「芸能人の誰々とヤった」とか、「モデルの誰々とヤった」とか言いふらしてるような感じがして。僕はあんまりカッコよくないなーと思っちゃうんですよね。

―――あと、これは個人的な興味なんですけど、この前アントニオ猪木酒場にご一緒した時に、猪木さんとも親交がおありだと。その辺のいきさつを…。

古澤:ああ、そういえばさっき言わなかったですけど、実は10代の時、ボクシングと柔術をやってたんですよね。毎日ジム通いしてました。文武両道じゃなきゃヤダなって(笑)

―――そうなんですか??やっぱり空間・内装とかデザイン業界だと腕っぷしはある程度大事なんですね。別に職人脅すとかではないですけど…なんていうか、いざという時の腕力ですよね。建築家の安藤忠雄さんとかもそうですし。

古澤:安藤さん喧嘩強いんですか?

―――強いどころか、元プロボクサーですよ。だから異色の経歴だって言われてますよね。

古澤:へええ、そうなんだ。

―――で、猪木さんとは…。

古澤:そういうわけで昔から格闘技が大好きだったこともあって、以前からうなぎの老舗「いちのや」の市野川社長に可愛がってもらってたんですよね。市野川さんも格闘技が好きで。その市野川さんからのご紹介で猪木さんとお会いできたのがきっかけです。それから時々ご同席させて頂いたり。

―――どおりで…猪木酒場で本人出てきたのに驚かない訳ですね(笑)

古澤:小学校の時から、特にプロレスが大好きだったので。総合格闘技も日本で特に盛り上がったのは『プライド』だと思うんですけど、黎明期の頃からケーブルTVで見てましたね。他にも『パンクラス』とか、『修斗』とか…そういう、総合格闘技がかなりマイナーな頃からずっと見てました。

―――猪木さんとお話しできたということは、現役のファイターとも親交が?

古澤:もちろん好きなファイターもいるので、普段一緒にご飯とか食べたりするんですよ。そうすると、僕とはニコニコしながら食事してるんですけど、リングの上では全く違う顔して…ある時は有利に試合を運んだり、ある時は不利な試合運びされちゃったりとかするわけじゃないですか。そういう時に、試合中に、全てひん剥いた最後の男気…「負けてたまるか」みたいな根性を見せてくれると感動しちゃいますね。

―――そういう意味では、格闘技もエンターテイメント事業の一環として何か考えられてる…?

古澤:それは無いですね。ただ前田日明さんとのご縁もありまして「ジ・アウトサイダー」はスポンサーとして応援させてもらったりしました。あと、僕の後輩が試合に出たりしましたね。僕がセコンドについて。ゴング直後に不意打ちでやられちゃいましたけど…(笑) (続く)