卜部眞規子氏
水落: 職業としての営利・非営利をどう考えるのかということなんですが、僕なりの解釈では、営利というのは受益者から直接お金をもらえるビジネスのことだと。逆に非営利の仕事というのは、例えば環境保全でいうと、絶滅しそうな鳥を保護しましょうと。この場合受益者が鳥なので、鳥からお金をもらうことはできませんよね(笑)。だからNPOでやるということになる。でもこれからは、こういう営利で解決できない問題がどんどんクローズアップされていきますし、逆に営利事業で働ける領域はどんどん減ってきている。効率化が進んで、人もいらなくなってきている。じゃあ、今こそ労働力が必要な非営利の事業に人が流れて行って、社会を良くする方向にシフトしていくためにはどうすればいいのか。やっぱり非営利の事業そのものでお金が回していかないといけないという使命感でやるしかないなと。今のように「そのうち回っていくでしょう」という期待感だけでは難しいと思っています。

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卜部: 確かに今、マドレボニータ以外にも、産前産後分野で営利活動としてフィットネス事業を展開されている方も増えてきているんですね。じゃあなんで代表の吉岡はマドレボニータをNPO法人化したのか。やろうと思えば、「カリスマ講師・吉岡マコ」ということで前面に出していけば営利化はできたんですね。でも、私たちの目的は「産前産後分野で一儲けしてやろう」ということではなくて、私たちのような活動団体がなくても、行政や各自治体で母親全員が同等のサービスを受けられる状態にすることなんですね。だから、「カリスマ講師が一人いるのでみんな来てください」というスタンスではなくて、全国に自分と同じくらいのスキルを持ったインストラクターを配置して、どこでも同じプログラムを受けられるようにしようとしています。すでに24人(インストラクターが)いらっしゃるんですが、その方たちは全員フリーランスで、マドレボニータという看板は使っていますが、形態としては自営業なんですね。そういう風にして地方に新しい女性の仕事を生み出そうということにも力を入れています。


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5.【企業 "以外" で働く未来論】パネルディスカッション④/水落勝彦氏~卜部眞規子氏