
東京に住んでいた時、いつか注文してみたいと思っていた「モンサンクレール」のクリスマスケーキを初めて食べた時の感動は、今も忘れられない。見た目は何の変哲もないただのショートケーキなのだが、今まで食べたどのケーキをも凌駕する味だった。
何が違うのか。素材のバランスが考え抜かれていたのはもちろんだが、最も突出していたのは生クリームの味だ。生クリームとは、果たしてこれほど繊細なものだったのか…。筆者が今まで食べてきたケーキは、お腹がいっぱいになる前に胸がいっぱいになってしまい、とても2個3個食べられるようなものではなかったが、「モンサンクレール」のケーキは充分にスイーツの甘さを楽しめるにも関わらず、決してくどくなく、上質なクリームのまろやかさや舌触りというような「質感」がふわっと口いっぱいに広がり、食べた者にしか分からない幸福感に包まれる(それ言っちゃオシマイだろ)。もう男だとかそういうのは関係なく、何個でも食べたくなるのである。

とにかく今回のキャラメルカフェラテは、147円というマウントレーニアの厳しい制約の中で、モンサンクレール特有の奥深い甘味を再現したということだけでも、賞賛に値するものだと断言できる。気になる方は是非手に取ってみてはいかがだろうか。