
さて、今回は皆様に一つご報告があります。
私、大須ぱる子は婚活を無期限休止することにしました。ロックバンドか。
もちろん結婚が決まったわけでもなく、彼氏ができたわけでも、子供ができたわけでもなく、かといって結婚をあきらめたというわけでもない。とはいえ、婚活をやめる以上は、題名に偽りありということでこの連載も終了しようと思い至ったのだが、編集長がわざわざ愛知までやってきて説得するので、とりあえず今後も何かしら記事は書こうと思っている。
では、なぜ婚活をやめるに至ったのか。理由は簡単だ。今は時期ではないと踏んだからである。
これまで自分の年齢や家族を始めとした周囲の期待、メディアの情報に煽られ、いそいそと婚活を始めた私であったが、どうにも思うように成果が上がらない。その原因について落ち着いて考えてみる期間を作ることにしたのだ。
この「落ち着いて」考えてみることが非常に重要だった。海鵜作戦など、これまで試行錯誤を重ねている間にも考える場面は多々あったのだが、やはりすべての情報を白紙にすることは困難で、常にどこかに結婚に対する焦りがあった感は否めない。
というわけで、原点回帰を図るべく、しばらく山と田んぼに囲まれて過ごしたり、ただひたすらに寝たり、ジブリ漬けの生活をしてみたりした。そのおかげで結婚に対しての焦りはなくなり、今はかなりニュートラルに近い状態になってきている。

この状態であらためて思うこと。それは、やはり結婚を始めとした人生のビッグイベントやターニングポイントには、それなりのタイミングというか、成る可くして成る時期がきっとあるのではないかということだ。いつか来るかもしれない結婚チャンスに備えておくことは必要かもしれないが、その時期を無理に早めるための努力をしたとしても、あまり成果は得られないように思う。むしろ視界に霧がかかったように人を見る目を曇らせるし、何より自然体の自分から日に日にかけ離れていくような気がしてならないのだ。
例えば、雨の音に心癒され、濡れたアスファルトや土の匂いに心躍らされるような感覚、通勤途中に見かける木の表情から季節を感じ取る心の余裕…かつてはこうしたものに日々の幸せを感じていたが、それを失いかけていた。焦りや不安はいら立ちを生み、生活をネガティブにさせる。
これから先の長い人生、いかに自分らしく自然体であり続ける事ができるか…今はそのことの方が重大であると素直に思える。今振り返れば、そんな些細な願いさえ、恐怖の病棟忘年会やカップル生産工場への出向(?)で叶うことは決してなかったのだから。
人間、生まれる時と死ぬ時は結局一人。慌てて結婚したところで、その個々が抱える孤独の本質は変わらない。うっかり間違った伴侶を捕まえて、とんでもない目に遭うよりはよっぽどマシである。
ちょっとくらい婚期が遅れたって良いじゃないか。いつ立てたかも分からない将来設計に踊らされるよりは、今の現状に合わせて設計を更新していく方がよっぽど建設的な考えだと思う。これは、私が私なりに行動し闘ってきたからこそ辿りついた結論なのかもしれない。
…と、ここまで飲み屋で友人に話をしてみたら「最高の現実逃避だね」という賛辞をいただいた。
もう一度言わせてほしい。私は、MAXやまびこで旅に出る。読者の皆様、またいつかどこかでお会いしましょう。そして、お互いの未来に幸あらんことを!
大須ぱる子 おおすぱるこ/愛知県出身・在住の現役看護師。幼少期の得意技はとび蹴り。男運悪し。好きなもの、エヴァ・猥談・牛すじカレー。時々白目、時々昇龍拳。 |